靴型トラッカー「Surplex」について

Surplexは履くだけで腰・両足のトラッキングができるデバイスです。そのため、ベースステーション(トラッカーの動きを捉えるデバイス)の設置やカメラの準備が必要がなく、すぐにフルトラッキングを体験することができます。
制作物①:SHERWALL
前方から迫ってくる壁を避けるVR&5点トラッキングの一人用アクションゲームです。壁にぶつかると左上にあるHITのカウントが増えてしまいます。
制作物②:Surplex接続およびゲーム開発マニュアル
Surplexの初期設定からUnityで使うための手順をまとめたWebページです。Sueplex公式のドキュメントとFAQに書かれている内容に、実際に出会った不具合を元に補足や留意点を追加しました。このサイトは公式discordサーバーにも共有し、同じような不具合で詰まっている方へのマニュアルとして活用してもらいたいと考えています。
制作背景
ソフトウェア科学研究室では、毎年「デジタルホラーハウス」を制作しています。このアトラクションに用いる新たなデバイスとしてSurplexが挙がっています。そこで、Surplexを用いたゲーム制作を行いその過程で得た知見をまとめることで、ゲーム制作でSurplexが活用できる環境を構築することを目指しました。
工夫したポイント
SurplexをPCやSteamVRに接続するために公式ドキュメントやFAQを確認していたが、説明が不十分であり何度も問題にぶつかりました。そこであらゆる可能性を鑑みながら調整やプログラムを作成していくことで解決しました。
例えば、Surplexからの情報を変換するソフトウェアがうまく起動せず必要なログが出てこないことがありました。そこで、ソフトウェアをダウンロードするURLを変えたり同じ状況になっていた他ユーザの状況との共通点を探したりして原因を探りました。その結果、ソフトウェアを特定のディレクトリに置くことが必要ということがわかりました。
また、Unityでのゲーム制作でOpenXRを用いるとSurplexの情報を取得できないことがありました。そこでSurplexの接続方法を確認したところ、SteamVRとの接続でlocalhostを用いていました。そこでWebSocketを用いて通信するプログラムを作成してSurplexの情報を取得することに成功しました。
さらに,問題を解決した手順を記録しておくことで、Webページ作成に向けた準備を行なうことができました。
総評
Surplexのトラッキングに大きなラグはありませんでしたが、膝を曲げて足を上げる動作とジャンプが読み取れませんでした。そのため、段差を乗り越えるようなアクションを必要とするアトラクションやゲームでの使用は難しいです。また、身長や体重の情報を変更するにはソフトウェアを一度削除したのち,初めから設定しなくてはならないので、不特定多数が体験する「デジタルホラーハウス」に用いるには再設定の方法に工夫が必要です。
ゲーム制作の面で考えると、公式のドキュメントの内容が不十分でありサポートも受けられない状況だった点やゲーム制作の際には別途必要なプログラムが必要になる点から、あまり適していないです。ただし、今回利用しなかったがSteamVR Pluginを用いるともっと容易に制作に利用できる可能性もあります。
また、一度設定が完了すればデバイスを身につけてソフトウェアを起動するだけでフルトラッキングを利用ができるため、個人でのゲームプレイ用として使用する場合であれば十分であると思われます。
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