概要
モーションキャプチャーを利用してダンサーが踊る動きを収録し、その動きの軌跡のデータをもとに3Dデータを作成した。そのデータを3Dプリンターで出力し、ダンスの軌跡を立体造形作品として制作した。時間芸術であるダンスの動きの美しさを、空間芸術である立体作品に変換し鑑賞することを目的としている。
制作背景
人間の身体動作は通常視覚を通じて他者に情報を与えている。
人間が動くときに生まれる軌跡や導線を利用して立体物を造形することで、触覚を通じて動作を感じさせる普段とは違った体験を目指した。
制作するにあたって、テーマを「自然」とした。
自然の多様性や美しさをダンスを通して抽象化し、さらにそのダンスの動きの軌跡をオブジェに落とし込み、触れることができる状態にすることで、普段とは異なる視点から自然を捉え、想像することができるのではないかと考えた。
完成作品
大阪電気通信大学3D造形先端加工センターに3Dプリントを依頼した。
出来上がった造形物に軽くやすりをかけて塗装をした。



ダンスの動きとその立体化
造形物と元になったダンスを比較してみる。
黄色の部分が左手の軌跡、青い部分が右手の軌跡に対応している。



制作手順
1.モーションキャプチャースタジオにて、ダンスモーションを収録
コンテンポラリーダンスを中心にダンサーや講師として活動している方に依頼をし、ダンスの動きをモーションキャプチャーを用いて収録した。
テーマに沿った音楽をかけながら、思うままに体を動かしていただいた。
ご協力いただいたダンサー
キジママナカ様 https://www.manakakijima.com/
2.収録したデータからマーカーの座標データを取り出す
人間1人につき57点あるマーカーの座標データを書き出した。
Excelで数値を確認しながら作品に使用する箇所を選定した。
3.座標データをもとにCADソフトでカーブを作成
使用する箇所の数値をCADソフトに入力し、カーブを作成した。
4.3DCGソフトを使用して厚みの調整
カーブに厚みをつけるとオブジェらしい見た目になった。
細かく調整する必要があったため、使い慣れたMAYAを使用した。
5.3Dプリンターに対応したデータ形式に変換
再びCADソフトを使用してstl形式のデータに変換した。
3D造形先端加工センターにはこのデータを提出し、制作していただいた。
6.仕上げ
軽くやすりをかけた後、塗装をした。
塗装の難しいABS樹脂で造形されているため、下地材の塗布も慎重に行った。
参考文献
岩田 翔士, 松島 史朗
モーションキャプチャを用いて製作した椅子の感性評価 身体動作を用いた形状生成に関する研究 その1
日本建築学会論文集,第80巻,第712号,pp.1265-1272,2015
Front/Anna Lindgren,Sofia Lagerkvist
“Sketch Furniture Performance Design”,Front Design
http://www.frontdesign.se/sketch-furniture-performance-design-project
(参照:2024-01-31)
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