大阪電気通信大学

触覚学習を用いたカプセルトイの制作

制作概要

 カプセルトイの商品を想定したキーホルダーを制作した。コンセプトは”地図記号×多感覚学習”とした。地図記号を学習する小学生低学年をターゲットとし、親しみやすくするため地図記号をキャラクター化し、キーホルダーとして身につけることをできるようにした。また、キャラクターにはっきりとした凹凸をつけることで、視覚と触覚による多感覚での学習がより記憶の促進に繋がり効率の良い学習をすることもできる。

制作背景と動機

 近年、10代〜30代を中心にカプセルトイは人気で、筆者自身もカプセルトイに興味を持ち調べていくうちに自身でもカプセルトイを制作することとした。

 キャラクターを用いて学習するコンテンツが多く存在し、中でも記号などをキャラクター化して勉強を促す商品があることを調べて分かった。

 それらキャラクターを用いての学習コンテンツの中でも地図記号がモデルとなったものがあまり見られなかった。またこれらの学習は見て覚える視覚中心のものが多い。効率の良い学習について調べるうちに、見る学習のみならず見ながら触る学習がより記憶の促進に繋がることが判明した。[1]

 これらのことから多感覚で覚えられる、カプセルトイを想定とした凹凸をつけたキャラクターによるキーホルダーを制作することにした。

[1]宮崎圭佑、山田純栄、川崎聡大:”視覚と触覚を用いた多感覚学習による複雑図形検査の視覚性記憶促進作用について”、認知神経科学、Vol.24、No.3・4、2023年、

作品紹介

 正方形のキーホルダーで、正面に地図記号をイメージしたキャラクターが彫られている。キャラクターそれぞれに地図記号があり凸部の形で表した。そうすることで、目で全体を見て、指で地図記号の部分をなぞって認知することができる。今回の制作では全5種類でそれぞれ学校、消防署、病院、交番、裁判所の地図記号がモチーフである。キャラクターもそれぞれのモチーフの地図記号に関連する物をキャラクター化した。サイズは4.5cm×4.5cmで高さは0.3cmでカプセルにも入れられるコンパクトなサイズにした。

※指で記号部分を感知して学習

※キーホルダーとしての使用

カプセルトイの一覧

※左から病院、消防署、学校、交番、裁判所の地図記号をモデルとしたキーホルダー

・病院(一番左端):救急車がモチーフ。真ん中部分に地図記号がある。記号の中の部分も塗装をした。

・消防署(左から二番目):消防車がモチーフ。病院同様に中心部分に地図記号がある。記号部分をより強調するために消防車の色を薄い赤色にした。

・学校(真ん中):学校の校舎がモチーフ。口部分に地図記号がある。学校から校舎以外にも角帽も連想して、頭に加えた。

・交番(右から二番目):交番がモチーフ。帽子部分に地図記号がある。交番から警察官を連想させ、頭は警察帽子で敬礼しているビジュアルにした。口部分は警察章を表現した。

・裁判所(一番右端):法壇がモチーフ。顔の真ん中部分に地図記号がある。裁判所と聞き裁判長を連想させ、大人な雰囲気が感じられるようにした。

制作工程

 初めにキャラクターのラフ案を制作した。そのラフ案をibisPaintを用いてキャラクターを描いた。プリントアウトした際に、イラストの輪郭部分の色を綺麗に流し込めるように、それぞれ描いたイラストの輪郭線を0.3cmほど太くしたものを制作した。

 Autodesk Mayaを使用してキーホルダーの正方形部分のモデルを制作して、輪郭線を太くしたイラストをモデルに貼り付けた。その後、同ソフトのマルチカット機能を用いて輪郭の内側と外側にエッジ(辺)を制作して、その間に出来たフェース(面)にフェースの押し出し機能を用いて厚みを-0.25cmにして凹部を作成した。この方法を用いて地図記号の部分も厚み0.3cmにして凸部を作成した。これらの工程で5つのキーホルダーを制作した。

①イラストの輪郭部分を0.3cmほど太く

②輪郭を太くしたイラストを3Dモデルに貼り付け

③黒い線に沿って凹部と凸部を制作

 完成した3DCGモデルをSTLファイルに書き出した後、3Dプリンタによって立体作品としてプリントアウトした。素材はABS樹脂で軽いプラスチック素材である。そこから下地塗料を作品に塗布し、上塗り塗装をしても剥がれにくい状態にした。

 今回使用したのがエアーブラシとプラモデルに使用される白色のスプレー缶、そして黒インクである。また塗装する際に他の場所にも色が付かないようにマスキングテープも使用した。まず、白色のスプレー缶を使用して背景を塗った。その次に、プラモデル用のエアーブラシを使用してキャラクターを塗装した。黒インクで凹部の輪郭部分をスポイトで塗料を流し込むように塗り、ボールチェーンを右端の穴に通して完成させた。

工夫したポイント

 塗装する際により均等に色を塗れるように輪郭部分を凹部にした。キャラクターを自由に表現したく、正方形の形にしてその中に描く様にした。3DCGソフトでモデルを制作する際、地図記号の角の部分に斜面を加えて触れやすいデザインにした。

作者プロフィール

川邊碧惟

総合情報学部デジタルゲーム学科

コメント


井上 崇2024-02-13T09:14:50

それぞれとても可愛い作品に仕上がりましたね!
何でもスマホの時代で、周辺検索すればそこまでナビしてくれる時代なので、地図を見る機会って減ってしまいましたよね。
そんな時代だからこそ、多感覚学習とカプセルトイを合わせて製作した目の付け所が面白いと思いました。

個人的には学校か裁判所のデザインがお気に入りですが、息子は病院か消防署だろうな~笑

川邊 碧惟2024-02-13T09:29:49

コメントありがとうございます。
親しみやすいキャラクターを目指しましたので、
とても嬉しく思います。