制作背景
近年では文学書やビジネス書などを朗読した音声コンテンツが普及しており、たくさんの人が利用しています。ですが、そのほとんどはナレーションのみで構成されています。
在学中に学んだことを基に楽曲・効果音の制作を行ってきた私は、それらのコンテンツに適切な環境音・効果音を差し込み、臨場感を持たせることで没入感を与え、リスナーをより楽しませることができるのではないかと考え、制作に至りました。
作品概要
今回の制作にぴったりな、情景描写に長けた小説家・夢野久作の作品から、彼の持ち味である「夢と現実が混ざり合った独特な雰囲気」を醸し出しているものを3つ厳選し、朗読したものに自作した環境音・効果音を組み込み、MAしました。
また、朗読を演劇経験のある旧友にお願いしたことで、本作品をより没入感に浸れるものにできたと思います。
※作品データは全て青空文庫から拝借しています。
作品一覧
・縊死体(いしたい)
とある男が犯した罪から始まるサイコホラー作品。衝撃のラストに驚愕間違いなし!(6分24秒)
冒頭(本文)
どこかの公園のベンチである。眼の前には一条の噴水が、夕暮の青空高く高くあがっては落ち、あがっては落ちしている。その噴水の音を聞きながら、私は二三枚の夕刊を拡げ散らしている。そうして、どの新聞を見ても、私が探している記事が見当らないことがわかると、私はニッタリと冷笑しながら、ゴシャゴシャに重ねて押し丸めた。
「縊死体」夢野久作
私が探している記事というのは今から一箇月ばかり前、郊外の或る空家の中で、私に絞め殺された可哀相な下町娘の死体に関する報道であった。
・きのこ会議
毒きのこ達の運命や如何に!?シニカルな喜劇が好きなあなたにおすすめの短編小説。(6分34秒)
冒頭(本文)
初茸、松茸、椎茸、木くらげ、白茸、
「きのこ会議」夢野久作鴈茸
、ぬめり茸、霜降り茸、獅子茸、鼠茸、皮剥ぎ茸、米松露、麦松露なぞいうきのこ連中がある夜集まって、談話会を始めました。一番初めに、初茸が立ち上って挨拶をしました。
「皆さん。この頃はだんだん寒くなりましたので、そろそろ私共は土の中へ引き込まねばならぬようになりました。今夜はお別れの宴会ですから、皆さんは何でも思う存分に演説をして下さい。私が書いて新聞に出しますから」
皆がパチパチと手をたたくと、お次に椎茸が立ち上りました。
・キューピー
消えたキューピーを探すためにおもちゃ達が奔走する短編作品。果たして見つかるのか…?(2分50秒)
冒頭(本文)
アメリカ生まれのキューピーがいなくなったので、おもちゃ箱の中は大変なさわぎがはじまりました。日本のダルマさんが向う鉢巻でタワシ細工の熊に乗っていの一番に飛び出す。あとから独逸生まれのブリキの兵隊が木造りの自動車で駈け出す。仏蘭西生まれの道化人形は英国生まれのねむり人形と一緒にそのあとから走り出す。みんな出て行っておもちゃ箱は空っぽになりました。
「キューピー」夢野久作
制作環境

Logic Pro
音楽制作ソフト。これを使ってMAしました。

JIAMS 音像編集スタジオ
主にナレーション録りに利用させていただきました。

録音風景

TASCAM DR-07X(ハンディレコーダー)
主にフィールドレコーディング・フォーリーレコーディング(環境音・効果音の録音)に使用しました。

鶴見緑地公園
主な録音場所。自然豊かで、フィールドレコーディングにはぴったり!

丘には風車があり、春になると多種多様な花が一面に咲く、所謂”映えスポット”になります。

小川があり、水音を録ることも可能!
(本作品❶❷に使用しています)




小道具
主にフォーリーレコーディングに使用しました。
画像にあるものは本作品❸で使用したものです。
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